すべらない話『モロッコ編〜軟禁〜⑥』

重信セガ-レ

2009年03月10日 23:55

道なき道を進む。
運よく、月夜である。
夜でも歩くには問題なさそうだ。

が、逆にアシュラマン一味に見つかる可能性も高い。
車が時々通る度に、岩陰に隠れたり地面に伏せてみた
りと脱走者だ。

おかGも僕も始めは楽しんでいたが、その元気は徐々
になくなっていく。

そしていつしか、疲れはモロッコ人への怒りへと変化
していたのだ。

1時間・・・、2時間・・・、3時間・・・。

ようやくアシラ駅の近くにたどり着く。

タクシーは停まっているが、アシュラマン恐怖症にな
ってしまい、またもや拉致されるのではとタクシーす
ら乗れない。


更に歩くこと1時間・・・街だ。

街につけば、当然モロッコ人がいる。
そして意味もなく近づいてくる。

『ジャッキーシェン、ジャッキーチェン』

モロッコ人から見れば、アジア人は皆ジャッキー
拳法の達人なのだ。

『ジャッキーチャン、ジャッキーチェン』(モロッコ人)
『はいはい』(僕、おかG)

『ジャッキーチャン、ジャッキーチェン』(モロッコ人)
『はいはい』(僕、おかG)

『ジャッキーチャン、ジャッキーチェン』(モロッコ人)
『も〜ええて・・・』(僕、おかG)

『ジャッキーシェン、ジャッキーチェン』(モロッコ人)
『・・・』(僕、おかG)

『へい、ジャッキーチャン』




あ~ああああああああ~!!ブチ
『ぬしゃ、うっしゃ~つた!たいぎゃ~にしとけよ!!!!!!』

飛びかかろうとする僕を、必死で止めるおかG。

モロッコ人からすれば、拳法の達人ぶち切れて
いるのである。

ただ事ではない。顔面蒼白だ

映画によれば、何人で飛びかかろうとやられてし
まうのだ

『Fuck!Fuck!』と応戦してくるが、相
手は、拳法の達人。
迂闊に手は出せない


しばらく、怒っていたがどうにか持ち直し相手に
するのを辞める。

しかし、その後も、何故か着いてくるモロッコ人。

宿を紹介すればいくらかのマージンがもらえるので
あろうか・・・。

一軒のHOTELを見つけそこに泊まることに。
長い1日が終わろうとしてた・・・。

が、これから、長いモロッコの旅の1日目であった。

※次号のモロッコ編は『アシュラマン一味との再会!』

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